LATCH 法

今回は LATCH 法についてです。LATCH 法は情報整理の技術です。

LATCH は次の並び順の頭文字です。

LATCH並び順
Locatioin位置情報順
Alphabetアルファベット順、五十音順
Time時系列順
Categoryカテゴリー順
Hierarchy階層順

情報を探す目的に合わせて適切に情報を並べることで、情報へのアクセスを簡単にしたり活用しやすくすることができます。

Location 位置情報順

Location は位置情報に基づく並び替え方法です。

多くの都道府県一覧が Location の並び順です。北に位置する北海道から始まり南に位置する沖縄県で終わることが多いです。北海道、大阪府、青森県、東京都……のような順番を見ることはまずありません。
例えば次のように都道府県一覧があります。

1つ目は位置情報順、2つ目は五十音順で並んでいます。都道府県一覧の場合は多くが1つ目の並び順なので慣れによる影響もありますが、都道府県は日本地図を連想させるので日本地図の上下 (南北) に揃え並べると目的の都道府県を見つけやすくなります。

他には南北や緯度経度だけではなく、ある地点からの距離を基準にすることもあります。例えばマップでお店を探す際には現在地点から距離が近い順に表示することも効果的です。

Alphabet アルファベット順

Alphabet はアルファベット順、五十音順に基づく並び替え方法です。

辞書はアルファベット順や五十音順で言葉を並べています。

様々な分野の言葉を並べる辞書のように取り扱う情報が多岐にわたる場合でも、五十音順であれば名前さえわかれば情報にアクセスできるので探しやすいです。索引はまさにその例です。

また位置情報順で取り上げた都道府県一覧も外国人ユーザーを対象とする場合はアルファベット順にしたり、市区町村単位になれば日本人ユーザーであっても五十音順で並べたりするのが効果的です。

ルールは共通の認識があって初めて成立するものなので、並び順に対してユーザーの馴染みが薄いと考えられる場合は情報の名前を手がかりに並べることが好ましいです。

Time 時系列順

Time は時系列順に基づく並び替え方法です。

カレンダーや乗物の時刻表は日付や時刻順に、ある時間を基準に情報が並んでいます。また料理のレシピは料理手順、プロフィールは出来事が発生した順番の時系列で紹介されます。

イベント等のユーザーの行動に関連するものや順序立てて説明することで伝わりやすくなる場合に便利です。

Category カテゴリー順

Category はカテゴリーに分類する並び替え方法です。

図書館では本が文学、芸能、自然科学のようにカテゴリー (日本十進分類法) に分類され並べられています。EC サイトでは商品をカテゴリー毎に探すことができ、例えば指輪が欲しいユーザーは様々なジュエリーの中から指輪だけを一覧化し買い物をすることができます。

ただしカテゴリーによる分類はユーザー毎の主観の影響を受けるもので、情報を分類するユーザーと情報を探すユーザーの間で認識の差異が発生する可能性があります。例えば可愛い、かっこいいのような印象による分類はユーザーにより感じ方が異なるので正確ではありませんし、動物を探す際には爬虫類と両生類を間違えてしまうことも考えられます。
言い換えるとカテゴリーは分類するユーザーの主観に影響されたり、意図的に分類することができます。ユーザーが求める目的の情報に辿り着かせるのには正確性を欠きますが、新しい情報を発見させる場合には有効です。

Hierarchy 階層順

Hierarchy は階層順に基づく並び替え方法です。

ランキングや身長順、価格順のようなある数値や値の大小で情報を並べます。情報を探す目的に合わせて重要となる項目で並び替える為、ユーザーは目的に沿って情報を見つけやすくなります。
例えば EC サイトで人気順に商品を並べればユーザーの商品選択に失敗したくないという思いに沿って買い物ができ、価格順に商品を並べれば予算に合わせた買い物がしやすくなります。

コウモリ問題

情報を分類するにあたり、一つの情報が複数のカテゴリーに当てはまりどこに分類すれば良いか悩むことがあるかもしれません。このような問題をコウモリ問題と呼びます。

コウモリ問題は動物のコウモリが翼を持ちかつ全身が毛で覆われていて鳥と獣の両方の特徴を持つことからきています。またその特徴を題材にした話にイソップ寓話の卑怯なコウモリという物語もあります。

コウモリ問題の対策としては電子データであれば複数のカテゴリー全てに分類しどのカテゴリーからでも辿り着けるようにするという方法があります。その具体的な方法がタグです。タグは一つの情報に対して複数の分類を紐付けることができるので、様々な分類基準や複数カテゴリーに当てはまる情報もアクセスしやすくなります。

一方で本や紙の資料のような物理的に存在する物体ではタグのような複数のカテゴリーに紐付ける分類はできません。その場合は基準を決めてカテゴリーに分類するか、名前順や更新日時順、最後に使用した日時順等で並べる方法があります。